中国の方言と標準語(普通話)
私はこれまで、台湾→東莞(広東省)→上海→威海(山東省)→無錫(江蘇省)→蘇州(江蘇省)と中国各地を渡り歩いてきました。
そして、それぞれの土地で感じたのが、どこの地方へ行っても、全く違った言葉(方言)が使われているということです。
もちろん、どこへ行っても通じる標準語はあります。
「普通話(プートンファ)」と呼ばれる標準語は、中国北部の広い範囲で使われてきた北方語と北京語がもとになって、中華民国時代に制定されました。
そして、中華人民共和国になってから、義務教育の普及につれて中国全土に広がっていったんです。
台湾はもともと中華民国ですから、台湾でもその標準語が、多少の語彙の変化はあるものの「国語」として話されています。
でも、実際にそれらの地方に住んでいる人たちの多くは、その土地特有の方言を使って生活しています。
しかも、それぞれの方言は、まるで別の国の言葉のようで、発音も文法も全く違うように感じます。
日本では、方言といっても青森・秋田だろうが、熊本・鹿児島だろうが、何となくは理解できるものですが、中国では、中国人同士であっても、違う土地の人間が方言を使うと、全く理解できないそうです。
そして、若者や都市部の住人は、ほとんど皆、普通話を使って理解することができるのですが、地方へ行くほど、また年齢が高くなるほど、方言しか使えない人が多くなります。
中国全体では、3割程度の人がその地方の方言しか話せないのだそうです。
逆に、残りの7割の人々は、普通話と方言の両方を使いこなすバイリンガルということができます。
中国の方言は、大きく分けると、次の7つに分類されます。
1. 北方方言(北京語)
2. 呉方言(上海語)
3. 赣方言(江西語)
4. 湘方言(湖南語)
5. 閩方言(福建語)
6. 客家方言(客家語)
7. 粤方言(広東語)
ただ、それぞれの方言は、更に地方により細分化され、実際には何千種類もあるのだそうです。
北京語というと巻き舌音・反り舌音が特徴的で、日本人も勉強していて苦労する人が多いと思いますが、中国の中でも巻き舌の苦手な地方があって、そこの人たちの話す普通話は、少し訛った標準語になっているようです。
例えば、標準的な普通話で「我是日本人。(私は日本人です)」は、
「ウォ シー リーベンレン」と言い、「シー」と「リー」は舌を丸めながら発音します。
これが、台湾など巻き舌が苦手な地方の人が発音すると、
「ウォ スー ズーベンレン」となり、ズーズー弁のようになっちゃいます。
また、湖南地方では、「ナニヌネノ」と「ラリルレロ」の区別が付きにくく、きれいな普通話を話せないという人が多いようです。
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こんにちは
小学校の頃「巻き舌音」って散々練習された挙句、まわり誰もしゃべっていないのを気が付きました。
巻き舌でしゃべる人はニュースキャスターぐらいではないでしょうか?
投稿: ひろりん。のブログ | 2013年1月31日 (木) 12時14分