日経新聞にインデックス投資の記事、「インデックス投信 若者が存在感」「金融商品開発に影響力」
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今朝の日経新聞朝刊家計面に、インデックス投資関連の記事が掲載されていました。【日経新聞2010年2月15日朝刊家計面より引用】
インデックス投信 若者が存在感 金融商品開発に影響力
最近、低コストのインデックス型投信(日経平均株価など指数に連動する投信)を利用して国内外の株式や債券へ長期分散投資する若い投資家が増えてきた。
投信を運用する側でも彼らから商品開発のヒントを得ようという動きが活発化。
個人と金融機関の新たな関係が始まりつつある。
【引用終わり】
記事は、上記冒頭部分から、2010年1月9日に行われたイベント「 第2回インデックス投資ナイト」の様子を紹介、その中での「 投信ブロガーが選ぶ!ファンドオブザイヤー2009」の紹介をしています。
1位に選ばれた「バンガード・トータル・ワールド・インデックスETF」の運用会社日本法人バンガード・インベストメンツ・ジャパンの加藤社長のコメント、「業界関係者からではなく、投資家の方から評価いただいたことを光栄に思う」、2位に選ばれた「eMAXIS新興国株式インデックス」の運用会社三菱UFJ投信の代田商品企画部長のコメント、「彼らにきちんと評価されるかどうかは、我々運用会社にとってプラスの緊張感」と続きます。
個人投資家の手弁当で運営されているインデックス投資ナイトは、日経新聞から見てもインパクトがあったようですね。
当時、ロイターはじめいろいろなメディアに熱気をもって取り上げられていました。
当日参加した私から見ても、集まった個人投資家たちの熱気と、賞を受賞した運用会社側の方々が本当にうれしそうだったのが印象的でした。
(関連記事)
2010/01/12 第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その5)
そこから記事は、インデックス投資投資家・ブロガーたちの紹介に移ります。
彼らをさして、「自ら勉強し、金融機関のお仕着せでなく行動する投資家層が着実に拡大し始めている」と評されています。
良く紹介されていてうれしはずかしではありますが、やはり「拡大し始めている」という程度の表現が正確だと思います。つまり、まだまだごく一部のムーブメントであるというのが現実なんだろうなと。
ただ、こうしてインデックス投資家やインデックス商品が新聞に取り上げられるだけでも、数年前のインデックス投資環境から考えれば格段の前進なのかもしれません。
そこから話は、金融機関と個人投資家の関係についてになります。
楽天証券の新井外国株式事業部長のコメント、「以前から一部のインデックス投資家から直接意見を聞き始めていた」、三菱UFJ投信は昨年秋に「eMAXIS」シリーズの感想を聞くためブロガー十数人を招いて座談会を開催したことを紹介、日興アセットの今井ETFセンター長は「上場MSCIコクサイ株」上場について「個人投資家の要望が特に強い商品だったので、ぜひ実現させたかった」とコメントしていました。
実際、いくつかの案件には僕も関わったのですが、たしかに金融機関側にも個人投資家・個人ブロガーの意見を聞こうという機運が高まりつつあるような気がしています。
インデックスファンド・ETFなど個人投資家に有利な低コスト商品は、金融機関側には旨みのない商品であることが多く、今まではなかなかこうした機運はありませんでしたが、少しずつ風向きが変わってきているのを感じました。
(関連記事)
2007/10/21 直接取材敢行@楽天証券(まとめ)
2009/11/05 三菱UFJ投信「ネット投資家向け投資信託を考える」ブロガーミーティング体験記
今回の記事を見て思ったのは、投資信託全般において、ともすれば利害相反で敵対的になりがちな個人投資家と金融機関の関係が、少し変わってきたのではないかということです。
もう少し正確に言うと、運用会社(販売会社ではなく)と個人投資家の関係という新たな関係が生まれつつあるのではないかということです。
今まで、良くも悪くも販売会社主導だった投資信託業界において、販売側に有利な商品ばかりが生み出されてきたように思います(もちろん、なかには良心的な商品もあったでしょうが)。
そこに「個人投資家の声」という後押しを受けてプレゼンスを向上させた運用会社が、本当に運用したい商品も出せるようになってきたのではないかと。
なにも低コストのインデックス商品がすべてというわけではなく、いろいろな商品の中から、個人投資家が自分に合った商品(販売会社が売りたい商品ではなく)を自由に選べるのが理想なのだと思います。
いや、まだまだ胎動というレベルだとは思いますが、個人投資家にとっては好ましい方向なのではないかと思いました。
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