【今週の今日の一冊】まだまだ夏を楽しみたい! 花火とお祭りの絵本特集
8月も気づけばもう半ば。夏休みもあと少し‥‥‥!? でもまだまだ夏を楽しみたい! という方のために、今週は花火とお祭りの絵本を集めてみました。今年は数年ぶりに花火大会が復活したという声も耳にしましたが、今年見れた方も見れなかった方も、絵本の中で打ち上げられる迫力の花火を楽しんでみませんか。また懐かしさと夏の空気がじんわり伝わるお祭りの絵本も合わせてどうぞ♪
2022年8月15日から8月21日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
8月15日 花火の疑問や不思議、調べてみませんか?
月曜日は『知って楽しい花火のえほん』
知って楽しい花火のえほん
写真: 冴木 一馬
出版社: あすなろ書房
子どもと楽しむ花火の絵本百科。知っていますか? 花火の作り方/種類(割物、ポカ物、型物、水中花火…)、花火の歴史/伝統花火
わたしたちがお店で購入して楽しむ玩具花火は、買うときに製造年月日を見るといい。なぜなら花火は、製造してすぐに使うよりも、1年ぐらい寝かせたほうが色や火花がきれいだといわれているからだ。また、線香花火は、火をつける前に、先端部分をぎゅっとしめておくと長持ちする。
(本文「豆知識」より)
読者の声より
花火の種類、大きさ、色の出し方など、花火に関するあれこれが紹介されています。
花火を「綺麗~!」と言いながら見るだけでなく、「これはポカ物」だねとか、赤い色はこんな薬品を使ってるんだよねとか、この大きさの花火は打ち上げられるとこの位まで広がるんだよ!とか、知っていたらちょっと自慢出来そうな、楽しい知識が沢山!
花火の中に並べる星と飛び出させる用の火薬が別のもので、一緒に並べられているというのを今回初めて知りました。
何度読んでも、新しい発見がありそうな、面白い内容です。
(hime59153さん、40代・ママ 男の子8歳)
8月16日 楽しいお話とともにお盆の行事が学べる一冊
火曜日は『おぼんぼんぼんぼんおどりの日!』
おぼんぼんぼんぼんおどりの日!
絵: たちもと みちこ
出版社: 文溪堂
大好きなおばあちゃんが亡くなって、はじめてのお盆。
こなつはさびしくてたまりません。
ところが「おぼんだから、おばあちゃん きっと かえってきてくれるわよ」というお母さんの言葉通り、おばあちゃんは、きゅうりの馬にのって、「こなつ!ただいまー!」と、こなつの前に現れてくれたのです!
ふたりはお祭りに出かけて、キンギョすくいをしたり、しゃてきをしたり。
盆踊りが大好きだったおばあちゃんは、盆踊りの輪に入り、やぐらの上で堂々と踊ります。
ひっこみじあんなこなつも、おばあちゃんにひっぱられて、初めてやぐらにのぼって踊るのですが・・・。
お盆の最後の夜、おばあちゃんが帰るときがやってます。
お別れの場面、おばあちゃんのこなつを思う気持ちに胸が熱くなります。
ふたりの絆は、「大切な人を想う」というお盆本来の心を、ハッと気づかせてくれるようです。
あたたかい物語に行事の由来や知識が自然に織り込まれた「ますだゆうこ&たちもとみちこの絵本」シリーズ8作目。豆知識のページもわかりやすく、今作も「お盆」をテーマに、飾るもの、歴史やクッキングまで、いろいろなことが学べます。
子どもたちが行事を理解するのにぴったりの絵本。親子で季節と行事を楽しむのに、ぜひ手にとってみてくださいね。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
8月17日 赤い鳥居をくぐると屋台がずらりと……。
水曜日は『おまつり』
おまつり
出版社: 白泉社
神社のお祭りへやってきた、くまた。屋台、お神輿、花火に盆踊り。アルミ板をカッティングする技法で描く、ワクワクする夏の一日。
読者の声より
お祭りの楽しさが伝わってくる絵本です。子供と一緒に、これ見たね、これあったね、とお話しながら読み進めるのも楽しいです。
我が子はかき氷が大好きで、かき氷を食べたら満足ですが、くまたはお面、綿菓子、金魚すくい、色々楽しんでおみこしを見て帰ります。
子供の頃ワクワクしたおまつり、今は子供と一緒にワクワク。
お祭りの気分が楽しめる一冊です。
(いちこうさん 40代・ママ)
8月18日 色鮮やかな花火と音が夜空いっぱいに広がります
木曜日は『はなび ドーン』
はなび ドーン
出版社: 童心社
あかちゃんと花火。この組み合わせの絵本と聞くと、
「まだ本物の花火だって見た事ないかもしれないのに?」
なんて、ちょっと意外な気もします。
でもそんな心配はご無用。
暗い夜空に「シューッ」と何かが飛んでいって
次のページを開くと「ドーン」「パパパーン」「キラキラキラ」
きれい!
「シューッ、シューッ」ときて
「ポン、ドドドーン」大きな大きな花火が打ち上がって。
また、きれい!
この繰り返しは、理屈抜きで楽しいのです。
まるで万華鏡のように次々に色と表情を変えていく花火の美しさ、
変化のある音と反復するリズム、
そして金平糖みたいに今にもつかめそうな、キラキラな光の粒。
小さな子どもたちがワクワクせずにはいられないはずですよね。
大人になっても花火を見るのがちっとも飽きない、その秘密までわかちゃったような・・・。
カズコG・ストーンさんのあかちゃん絵本シリーズの第4弾になるこの作品。
動物も食べ物もママも登場しないけど、やっぱり赤ちゃんの目を釘付けにしてしまいそう!
読んであげる方が楽しくなるのも、このシリーズの人気の秘密ですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
8月19日 残暑の夜、寝付けないわにわにが向かった先は……
金曜日は『わにわにのおでかけ』
わにわにのおでかけ
絵: 山口 マオ
出版社: 福音館書店
残暑が残る夜、ワニのわにわにはなかなか寝付けません。すると、家のそとをぞろぞろと歩くたくさんの足音がします。好奇心を抑えられないわにわには、窓からはい出て、人のあとについていきます。ずりずりづづづ、と足をひきずりながら。たいこ橋を渡ると、なんとなんと、そこはたくさんの屋台がでている縁日。一軒一軒のぞいて、ヨーヨーを買って、大きな花火を見て、ゆっくりと家に戻ります。
8月20日 江戸の町並みと大輪の花火に夏の風情がたっぷり
土曜日は『はなびのひ』
はなびのひ
出版社: 佼成出版社
「いってらっしゃい、おとうちゃん」
「おうっ、ぽんきち、でっかいの あげてやるからな」
今日は待ちに待ったお江戸の花火大会。ぽんきちのお父ちゃんは花火職人なのです。夜まで待ちきれないぽんきちは、家の中でうろうろ…落ち着きません。すると、お母ちゃんからお父ちゃんの夜食を届けるように頼まれました。
「うん、まかしといて!」
夜食を手に持ち、歩き出したぽんきちの姿をを見ると、町の人たちが「もう花火の時間だ!」と思い込み、仕事なんてそっちのけで次々についていきます。何しろ、誰もがぽんきちのお父ちゃんの花火を楽しみにしていますからね。ぽんきちの知らない間に、江戸の町には大行列が出来上がり…。さあ、いよいよ待ってましたの花火大会のはじまりです!
「ひゅー… どーん」
たしろちさとさんが初めて挑む和風絵本。その色合いから構図、キャラクターまで、新たな魅力をたっぷりと味わえるこの1冊。江戸の街並みを背景に、住人達の暮らしや着物や小道具など、どこの場面を切り取っても見飽きることなく楽しみながら、いつの間にか読者もクライマックスの花火シーンを待ちわびてドキドキしてきます。荷物を持って町をフラフラ歩く小さなぽんきちの姿も可愛すぎます。
でも、やっぱり何と言っても大迫力の花火シーン。広い夜の空に咲く大輪の花火、降ってくるような光のつぶ。江戸の人々と同じように、見とれてボーっとしてしまいます。夏の涼しい定番絵本の登場ですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
8月21日 動物を型どった花火が次々に! 驚きのしかけ絵本
日曜日は『びっくりはなび』
びっくりはなび
出版社: 講談社
本作は新井氏が得意とする低年齢向けの絵本です。保育園などのよみきかせでも好評な、『ツリーさん』『ハッピーハロウィン!』『ぽかぽか』『みずたまりちゃん』に続く、季節感を感じられるキラキラカバー付きの赤ちゃん絵本です。
今回は、夏の風物詩である『花火』がテーマ。小さい子どもたちでも親しみやすい、動物をかたどった花火が次々と発射されていく、という繰り返しで構成されています。一番の見どころはなんといっても、花火の特徴をとらえた、驚きの「しかけ」です。この作品は、上にページをめくっていく上開きの絵本ですが、花火のページは、片観音になっているのです。最初にページを開くと、動物が花火を「発射」、さらにその片観音ページを上に開ければ花火が「開花」する、という二段構えの展開は、まさに花火そのもの。まるで実際に花火大会に行ったかのような、臨場感あふれるしかけです。
花火は大きく描かれているので、おはなし会でも見ごたえ抜群。屋内でも、花火を見た気分になれる、とても楽しい絵本です。1さいから~。
- 絵本・本・よみきかせ2017.08.06 絵本で夏を満喫!花火をテーマにした絵本10選!
いかがでしたか。
お盆が過ぎ、朝夕に涼しい風が吹くようになると、一気に夏の終わりの気配を感じますね。でも、まだもう少し夏を楽しめるはず! 子どもたちは宿題も大変な時期かもしれませんが、思い残しのないように夏を満喫してくださいね。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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